2014年02月27日

「ノラガミ ♯8 一線を越えて」


ひよりが学校のトイレで手を洗っていると、夜トが現れる。
痴漢行為だと勘違いしたひよりは夜トを撃退しようとトイレットペーパーや何やらを投げつける。
同じくトイレの個室から顔を出した雪音も勘違いされて、デッキブラシの餌食となるのであった。

27日10時に拍手して下さった方、ありがとうございます。






女子トイレの個室にまでお悩み解決デリバリーの連絡先を落書きしておいた夜ト。
幅広い年齢の方々から愛されたく…と、仁王立ちするひよりの前で正座しながら言い訳をする。
本日のお客様はこちらだ、と個室のドアを蹴破った先にいたのは、ケータイを持った男子生徒だった。
その男子生徒も漏れなくひよりの鉄拳制裁の餌食に。
覗きとかじゃなくて、いじめられるから隠れてたんですという男子生徒。
男子生徒は2年A組の荻原学だった。
休み時間になるといつも同級生にからかわれて、だから絶対見つからない場所を探して、と涙を浮かべる学にハンカチを差し出すひより。
学校からの依頼は大抵これだ、と夜ト。
なんで僕だけこんな目に。どこか遠くへ行きたいと弱音を吐く学に、苛立ちを覚える雪音。
それは同族嫌悪だと夜トに言われて、おまえに俺の何がわかるっていうんだよ、とその場を立ち去ってしまう。
おまえは雪音みたいにぶちまけるくらいが丁度いいかもな、と学に言う夜トは、これを使えと何かを学に手渡す。そして何事かを耳元で囁くのだった。

あんなもの渡すなんて何考えてるんですか、というひよりに、あれは起爆剤だ。学には少し無茶をしてもらう。どうなるかはあいつ次第さ、と五円玉を弄びながら答える夜ト。
雪音と一緒に何かできるんじゃ。いじめっ子との縁を切るとか…
その時、夜トが体勢を崩す。
ちょっと横になるといって、廊下の角を曲がると、夜トの姿は消えていた。
ここに来たことは、雪音にとっても起爆剤になるかもな…

雪音は同族嫌悪だといわれた事に腹を立てていた。
バスケットボールを足で触りながら、これがある限りどこにも行けねぇし、あいつも俺を放ってくれねぇし、とセッキの紋を見つめるのだった。
とある教室を訪れた雪音は、目に止まった学生服に袖を通し、俺もこんなの着て学校行ってたのかなと生への執着心を滲ませる。
授業の真似事をし、数学の問題を解いてみる。解けたところに、体育の授業から戻ってきた生徒たちが教室に入ってきて、慌てて教卓の中へ隠れるのだった。
やがて教室は生徒たちで賑わい、雪音もその和に混じろうとしたりするのだが、生徒たちは雪音に気づかない。
いいな、友達…
教室の中で一人、浮く雪音。
学は学生服をゴミ箱に捨てられるといういじめを受けていた。
どうして僕ばっかり。
どうして俺だけ。どうして。
また魔が差す雪音。
あやかしが現れ、学に囁きかける。ユー、やっちゃいな。楽になりな。
夜トに渡された何かをポケットの中で確かめる。

小福と大黒の元に、毘沙門が現れる。
武装した神器を全て解き放って、丸腰になる毘沙門。
毘沙門は時折、風穴の開く場所を聞きに来るのだという。
小福はテキトーとも思える調子で、地図に丸を付けていく。
小福が夜トにたまに会っていることを知らされた毘沙門は、自分を夜トから遠ざけるためにわざと風穴を開けているのではないかと疑う。
まさかーと軽く返す小福。
毘沙門が夜トとの因縁は知っているなと言うと、急にテンションを落とした小福が、
でも、私には関係ないよね。もし夜トちゃんに何かあったら、大しけ覚悟なさい。
すると毘沙門は失礼するといい、去って行く。
あの毘沙門を脅すなんて、俺は益々惚れた〜と大黒が小福の頭をなで回す。
大黒の腕の中で、小福は言う。
でもね、なんか胸騒ぎがするんだ〜あのとき夜トちゃん、ヤスんでたでしょ。

夕刻の教室で夜トのケータイに電話するひよりだったが、まだ学校にいるはずの夜トは出ない。
何故だろう、今日は夜トの臭いがしない。すごくだるそうだったけど…
保健室を訪れるひより。
ビンゴです。保健室のベッドで夜トが寝ていた。
ジャージの上着とズボンの隙間から素肌が覗いている。そこをめくってヤスミが広がっていないか確かめていると、夜トが目を覚まして…何故かひよりが夜トを殴り飛ばした。
何考えてるんですか! ちょっと確認したかっただけでとしどろもどろに言い訳をするひより。
雪音のことを尋ねると、雪音か…あいつは難しくて危うい年頃だ。雪音はそこで止まってる。今頃あいつは…
シケてきたな。あれはどっちのガキのかなと夜ト。
暗い表情でケータイで話しているいじめっ子のリーダー格の男子生徒を見つめる学。
フェンス越しにクラブ活動に勤しむ生徒たちの姿を見つめる雪音。遠い世界の出来事に苛立つ雪音の感情が、また夜トに差さって苦しめるのだった。
いじめっ子が話し終わってケータイを切り、学に気づく。最初は軽口を叩いていたいじめっ子だったが、あやかしに取り憑かれた学の尋常ではない様子に、尻込みする。
いじめは遊びだと言われて、あれが、遊び? とこれまで受けてきた嫌がらせの数々をフラッシュバックさせる学。
いじめっ子にカッターナイフを投げ渡す。
そして自らもカッターナイフを手にするのだった。
夜トに言われた通り、戦うなら相手にも同じものを。という言いつけを守ったのだ。
一線コエチャイナ。あやかしにそそのかされ、後ずさりするいじめっ子に一歩一歩近寄る学。
「一線越える…」
人間やめたかったらな。夜トの言葉が蘇る。
あやかしが消え去り、カッターナイフを学は取り落とす。
いじめっ子は恐怖のあまり、失禁していた。股ぐらを押さえながら立ち去っていく。
その場に倒れ、四つん這いになった学の元にひよりが駆け寄る。
その様子を見下ろし、よく踏ん張れたなと夜ト。
ヤバそうならあれに清めの水ぶっかけてやろうと思ったんだが。
夜トさんの言葉、思い出したんだ。こんなの使って人を傷つけたら、本当に何処にも居場所なんてなくなる。人間やめることになるって。だったら、ここで踏ん張るしかないんだって。
これでまた皆から無視されるな、と呟く学に、夜トは、
「ったく最近のガキは、仲間が多い方が勝ちだと思ってやがる。一人で良い。唯一無二の誰かを見つけろ」
とアドバイスするのだった。
頷いて、その場を立ち去る学。
その姿を見送りながら、俺も欲しいんだよな唯一無二の誰か…と汗まみれになっている夜ト。
その頃雪音は泣き叫んでいた。
なんで、なんで俺のはないんだよ!
帰って行く生徒を追いかけて、待ってくれよ、どうして置いていくんだよ。バットに足を取られて転ぶ雪音。
俺も連れてってくれよ、おい!

とうとう悟ったようだな。だが、そっちには行けねえんだよ。何処へ行こうが、おまえにとっての何処かなんてない。胸を鷲づかみにして苦しむ夜ト。

なんで無視すんだよ! おい、おい、おい!!

金なんかより本当に欲しいもの。それはもう手に入らないと思い知ったか。だがな、雪音。その一線だけはどうあっても越えられないんだよ!

バットを手にし、引きずりながら歩く雪音。完全に魔が差している。
窓ガラスをバットで割始める。
すると、とうとう夜トが倒れてしまう。
泣き叫びながらそこらじゅうの窓という窓を割って回る雪音。
うつ伏せに倒れた夜トをひっくり返してみると、顔や手にまでヤスミが広がっていた。
ヤスミはどんどん広がっていく。
かつて夜トに言われたように、小福たちのもとへ助けを求めに行くことにしたひよりは、肉体を脱ぎ捨てて、半妖の姿になる。
夜トに触ると、ひよりの手までヤスミが浸食してきた。

ガラスを一通り割り終えて、涙をぬぐっていた雪音の元にひよりが現れる。
ただならぬ夜トの様子に、怯えたようにどうしたの…と呟く雪音。
「夜トは耐えていたの。雪音くんが悪さをする度に、夜トはこんな苦しい思いを。それでも夜トはずっと耐えていたのよ」
「で、でも…」
「私もちゃんと雪音くんを止めてれば良かった。ごめんね、夜ト」
気を失っている夜トをおぶりながら、そのばから離れようとするひよりは、雪音に強く言うのだった。
「あなたも来なさい!!」

「夜トを助けて!」
ふすまを開けた大黒が目にしたものは、ヤスミに犯された夜トをおぶるひよりと雪音だった。
大黒は間髪を入れず一線を引く。
吹っ飛ばされるひよりたち。
境界を引かれたひよりたちは、それ以上大黒たちに近づけない。
境界の壁を叩きながら、
「どうして、開けて下さい、大黒さん、小福さん、お願いします、夜トが、夜トが死んじゃう!」
ひよりの必死の願いは聞き届けられるのだろうか…

posted by 松風久遠 at 17:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ノラガミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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