2013年12月13日

「革命機ヴァルヴレイヴ ♯22 月面の拳」


第三銀河帝国歴 211年から物語は始まる。
夜の森の中を歩いているのは、サトミと流木野と王子。
「王子はこちらにいらっしゃるのは初めてでしたよね」
壁のエンブレムに流木野が手を触れると、緑の光が迸って扉が開く。
「ルーンの光だ!」
そこに現れたのは、緑に覆われた咲森学園だった。
「私たちの帝国の始まりにして、呪いと、祝福の地」


どうやら再起動したらしいエルエルフが、外部と通信するために機械をいじっている。
二人ともポッドから出て、宇宙服を着、月面に降り立っていた。
ハルトはキューマの死のショックから立ち直れていない様子。

「人間であるという確証がない限り、このシャトルに入れる訳にはいきません」
とショーコがライゾウに言い放っていた。
タクミ先生が割って入って、
「指南はリーダーとしてやるべき判断をしただけだ」
ショーコは言う、仕方がないじゃない。嘘をついた人をどうやって信じるのよ…

今度は蘇ったハルトが通信機をいじって、衛星につなぐ試みをしていた。
その横では寝転がったエルエルフが「無駄なことを」と。
残りのエアーも三十分。

ドルシアの艦ではアードライが流木野を尋問していた。
「あのとき、おまえもあそこにいたな。私の目を撃ったのは…」
「あなたの想像通りよ。あなたを撃ったエルエルフはジャックされていた」
「やはりそうか。エルエルフ、おまえは…」
アードライの回想。
「この国は変わってしまった。ドルシア軍事盟約連邦、発足当初は先進国に対抗するための戦争互助会的な組織だった。それが今ではアルスと変わらない、いや、それ以上に権益と支配を追求するパワーゲーマーだ」
「さすが元王子様は視点が高いな」
「私がそれを嘆くのは王族だからではない。ドルシアの国民だからだ。だから、エルエルフ。私は力をつけてドルシアを革命するつもりだ」
それを聞いたエルエルフが笑い出す。
「大きすぎる夢だというのは分かっている。だから」
「違うよ、アードライ。俺も、革命するからだ」
そう言ったエルエルフの面構えは心なしか、現在とは違い、明朗に見える。
回想終わり。
「信じ切れなかったのは私の方だった」
自嘲気味に笑うアードライだった。

エルエルフの元へ、信号弾を持ったハルトが近寄ってくる。
君なら直せるんじゃないかというハルトに、信管がないと無理だというエルエルフ。
何故生きようとする、指南ショーコにすら捨てられたおまえが。
おまえは化け物で人間の敵だ。
指南ショーコの敵だ。
違う、僕は大切なものを失ってばかりだ。
犬塚先輩、マリエもアイナちゃんも。
君のせいで…!
ハルトは殴りかかるが、その緩慢な動作ではエルエルフに背後を取られてしまうだけだった。
失ったのはおまえだけじゃない。俺だってリーゼロッテを失った。
とハルトを蹴り飛ばすエルエルフ。
自分だけが未来を望もうなんて、許されると思うな。無理なんだよ今更、おまえは指南ショーコの父親を殺している。月到着直前の戦闘でおまえは敵艦隊を全滅させたな。あの中に指南ショーコの父親もいたんだ。
彼女のことは諦めろ、関係の修復などあり得ない。化け物で父親のかたきのおまえにはな。
とエルエルフが衝撃の暴露を。
エルエルフに掴みかかろうとするハルトだったが、反対に投げ飛ばされてしまう。
勘違いするなよ。ヴァルヴレイヴもなしに、おまえが俺に勝てるわけがない。

私たちにヴァルヴレイヴを遊ばせておく余裕はない。ハルトはもう戻らない。だったら、私が。
一号機に乗り込むショーコ。
電源を入れて現れた「ニンゲンヤメマスカ?」の問いに戸惑う。
ピノが現れてしゃべり出す。
「ハルトが乗らないから腹ぺこ。饑餓饑餓饑餓」
「ハルトも押したの、このボタンを」
「うん、仇だから。仇を取るんだって。確か…ショーコ?」
「人間をやめるって」
「そうだよ。人間のままじゃ、これは動かないから」
ピノがハルトが最初にヴァルヴレイヴに乗った時の映像記録を探し出して、ショーコに見せる。
ショーコの仇なんだよ、と必死に動かそうとする姿を見たショーコは、私の為…とハルトの思いを知り、号泣する。

月面ではエルエルフとハルトの見苦しい罵りあいが始まっていた。
そんなに頭がいいなら、どうして僕らはこんなことになってるんだ!
俺にヴァルヴレイヴがあれば、リーゼロッテだって救って見せた!
君のお姫様だって、その化け物だった。マギウスだったんだ、リーゼロッテは!
今度はハルトがエルエルフに暴露。
人間の味方をした、それで評議会に睨まれて。
評議会?
マギウスの存在を世間から隠す組織だ。ファントムを作ったり、国連を動かしたり、そんなこと個人の力でできるものか! 君が好きになった子はマギウスだった。君よりずっと長く生きていて、不死身で、人の命を食う化け物だったんだよ!
すると、狂ったように黙れと、ハルトを左右から殴りつけるエルエルフ。
たこ殴り。防護服のヘルメットの上からじゃあ、ダメージも与えられないけどね。

リーゼロッテ、あなたがマギウスだったなんて。何百年も生きる不死の存在。食物連鎖の上位、そんな君を救ってやろうだなんて、なんて滑稽なんだ。
涙…そうか、僕が悲しませたから。エルエルフだけじゃない。だから、僕は罰を受けているのか。
エルエルフに殴られ続けながら、ハルトは幻を見る。
キューマが現れて、
もう、いいんじゃないか? おまえ、十分頑張ったよ。
マリエが現れて、
もう休んでもいいんじゃない?
アイナが現れて、
そちらの世界は辛いことばかりじゃないですか。
僕は、頑張ったかな?
ああ、相当な。
ありがとう。僕はきっと誰かにそう言って欲しかったんです。
キューマたちのもとへ歩いて行くハルト。
キューマから伸ばされた手を取ろうとした瞬間、袖口を掴む人物が。
もう一人のハルトだった。
僕はもういいんだここで、と言うと、じゃあ、無駄死にだね。カミツキになってまで頑張ってきたのに。全くの水の泡だね。だってさ、僕は何のために生まれてきたの? 身体をいじられて実験動物をやるために? ヴァルヴレイヴに乗るため? 人を殺すため?
そんな訳ない!
じゃあ、何のため?

おそらく数百年マギウスとして暮らしてきたリーゼロッテが、何故人間の味方を、何があったんだ君に。
君もまさか、道を作ろうとしていたのか?
殴るのをやめ、立ち尽くすエルエルフ。
人と、マギウスの…

僕のルーンはもう消えかけてる、時間がないんだ。
だからだよ、この世界に、せめて爪痕くらいは残そうよ。

あなたにはまだ、できることがあるでしょう?
とリーゼロッテの幻を見るエルエルフ。
君と同じ人生はもう歩めない。だが、君の夢を紡ぐことはできる。

死ぬ気になったら、吹っ切れたよ。相手にどう思われるかなんてどうでもいい。僕がどうしたいかなんだ。
結論に達するハルトとエルエルフ。

『だからまだ、死ねない!』

すると、ルーンの力が発動して、ハルトの上に馬乗りになっていたエルエルフが、吹っ飛ばされる。
カインと同じ光に見えた、とエルエルフ。
カミツキならマギウスと同じことができても不思議はないが。と。
僕ら、この力で助からないか?
おまえが持ってきた信号弾、点火させられるかも知れない。
エルエルフ、やっぱり僕はみんなが好きだ。また一緒に笑いたいから。
人間とカミツキが一緒に暮らせる場所を作る。
今度はジオールの代わりじゃない、僕らのための、僕らの国を作るんだ。

カインの作り出した光は、おそらくルーンだ。それを発動させる鍵は言葉という情報だ。
呪文ってこと? 
おまえは呪文に近い言語を口にしたんだ。完全ではないにしても発動するのには近い言葉を。
信号弾が上がっても、味方がくるとは限らない。エルエルフ、一緒に。
『だからまだ、死ねない』
信号弾は無事上がった。後は鬼が出るか蛇が出るか。
とある衛星が、その光を捉えていた。

人間とカミツキが一緒に暮らせる世界か…長い戦いになるな。
大丈夫だよ。
考えがあるのか?
ない。だから、皆で考えるんだ。世界中のみんなで。そのためにはマギウスや百一人評議会のことを知ってもらわなくちゃならない。
なるほど、世界を曝くというわけか。
隠し事をして痛い目にあったからね。エルエルフ、
なんだ。
君はもう、僕に隠していることはない?
ある。
僕もだ。
そこへ、近づいてくる光が三つ。
残念ながら、ドルシア軍だった。
特定危険生物7号と脱走兵を発見した、これより国連有害生物防除法に従い、駆除を実行する。
最初から最後まで最悪だったな、俺たちは。
正反対だものね。僕らは。
そのとき、四号機が現れて、ハルトたちをドルシア軍から救う。
「ハルト、エルエルフも。会えた、また…!」
ドルシア軍を屠っていく四号機を宇宙に、エルエルフが契約を求めてくる。
「時縞ハルト、改めて契約だ。世界を曝くための」
「違うよ、エルエルフ。これは契約じゃない、約束っていうんだ」
防護服ごしに固くかわした握手。

流木野を逃がしたアードライは、イクスアインに背後から銃口を頭に突きつけられるのだった。
「エルエルフ、ハーノイン、それにおまえまで。一体どうなっているんだ」
「これは裏切りではない。私への罰だ」

男同士、殴り合って(ていうか、一方的にだけど)わかり合うってやつですかね。
せいしゅ〜ん。
エルエルフさんが無事に再起動してくれたので良かったです。
科白ばっかりの回でしんどかったっす。

posted by 松風久遠 at 18:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ヴァルヴレイヴ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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