2013年08月07日

「犬とハサミは使いよう ♯6 雨降って犬固まる」


本田書店へ和人は本を買いに。
夏野に本名を書いてもらい、それを店員の桜に渡して買っているのだろう。
バッグを装着して本を買う姿は健気ですらある。
弥生が帰ってきて、和人をモフモフする。
「もうすぐ新稲葉からいなくなっちゃうかも知れないんだった」
意味深な科白を吐く弥生だった。

「そういえばもうすぐ新稲葉からいなくなっちゃうかも、なんて言ってたけど…」
「夜逃げでもするんじゃないの?」
本田書店で本が買えなくなる、本が買えなくなる…
「俺とあの本屋の間には、聞くも涙、語るも涙の話があるんだよ」
話を夏野に聞いてもらえなかった和人。
「仕方ないわね、聞いてあげるわよ、あなたと本田書店の出会いの話とやらを」

あれは去年の春、高校に入るため、新稲葉を訪れた時のこと。その日は住谷荘の管理人さんと始めて挨拶をする日だった。約束よりも一時間も早く着いてしまった和人は、本を求めて駅前の本田書店に入ったのだった。
店の中では客がクレームを付けているところだった。
秋山忍の傲慢。我慢出来なくなった和人は、割って入って、客に説教を始める。
時はすぎ、客はとっくに帰ったのにまだ説教を続けていた和人。
そこへ金属バットを振り上げた店主が和人に襲いかかる。
間違いとわかるなり、土下座。
お詫びに家の本を一冊持っていってください、と。サービスとはなんて良い店なんだ、と和人は喜々として本を選ぶのだった。
「これは大手書店でも希なマニアック本だ…! これがあるとはこの店やはり……!」
「お客さん、それを手にしたね、あんた…」
『この店主、この客、ただ者ではない!』
ついでにポイントカードも作っとくか、ちょっとおまけしとくね、と店主。
気が付けば午後五時、二時間のタイムロス。
慌てて書店を出る和人。
駅前ではどこから突っ込んで良いかわからない人物が待っていた。

回想開けると、夏野は寝ていた。
これはリベンジのチャンスでは、と貧乳を連呼する。
夏野覚醒。「九回ほど殺すわ」刈られる和人だった。

「本田書店の件、調べてみるか」
と、書店を訪れる和人。中では桜と弥生が言い争っていた。
和人を連れて店を飛び出す弥生。
「お姉ちゃんはお店がなくなっちゃってもいいと思ってるんだ」
「だから弥生、色々考えたのに」
「お店繁盛の秘密兵器なんだよ!」
旗つきの帽子を取り出す弥生だった。これを被るのは和人の役目だった。
「本田書店、本田書店をお願いしま〜す」
商店街を練り歩く弥生と和人。
女子高生に抱っこされてモフモフされる和人をネットで見て、殺気を飛ばす夏野だった。
アフロにも会う。この黒いマリモ被った人呼ばわりの弥生。
無駄に輝くあの人も現れた。
キラキラに感動した弥生は黒服に入れてもらう。
本田書店が輝いていないのなら、私が輝かせてあげるわ、とマキシ。
それはイヤだという弥生。
「パパのお店が好きだもん」
駆け出す弥生を追う和人。
夕刻、弥生を心配して店の前でうろうろしている桜。
そこへアミがやって来て、本を手渡す。
読んでおくね、という桜に、ネガティブ思考のアミはどんどん自虐的になっていく。
今度はネガティブキャラか。

帰り道がわからなくなった弥生は、泣き出す。
和人は道なら自分がわかるから、と励ますのだが。
お菓子で釣ってみるものの、弥生には通じず。
本気で泣き出した弥生に手を焼いていると、そこへ夏野がやって来て、発信器をつけてあることを殊更言う。
帰りましょうという夏野に、今日は帰りたくないという弥生。
「何で帰りたくないの?」
「お姉ちゃん、弥生のこと怒ってるから」
謝りに帰ることに。
開口一番、出て行ったきり戻ってこないから、心配したのよと桜。
ごめんなさい、夜遅くなちゃったことも、お姉ちゃんを大嫌いっていっちゃったことも。
いいのよ、いいんだから、と弥生を抱きしめる桜だった。
「知り合いにこの店の熱狂的なファンがいるの。お店がなくなったら悲しむのもわかるわ。で、その辺りどうなのかしら、本当にここ、潰れるの?」
「そんなことありません!」
誰がそんなことを? その弥生がよ。
父母の喧嘩を見て、離婚→一家離散→慰謝料→天涯孤独になると思ったようだ。
お父さんとお母さんは本気で喧嘩してるわけじゃないのよ、と桜。
「ほんと? だっていつもパパがママにすっごく殴られて」
そこへ転がってくる店主。
「大丈夫、これはこれで愛情表現なのよ」
結論、私たちが離れ離れになることも、お店が無くなることもないのよ。

言葉が通じるって大事なことだよな。
恩人の夏野にそのへん言っといた方がいいんだろうか、と考える和人だったが、帰ったらお仕置きね、の言葉に考えを変える。
「ねぇ、今私に感謝してたでしょー?」
「全然−!」


posted by 松風久遠 at 18:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 犬とハサミは使いよう | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。