2013年09月01日

「魔界王子 ♯8 pain and ecstasy」


祈りを捧げていケヴィンのもとに、大天使ミカエルが降臨する。
「君が手間取っているみたいだから。ね、何で野放しにしておくの? ソロモンのこと」
「また情でも移ったの、あの人間に。え〜図星?」
ケヴィンを張り倒すミカエル。
「だけどさぁ、もしソロモンの魂を魔界にでも奪われでもしたら、君は本当に堕天してしまうよ。折角僕が片方の羽根だけで済ませてあげたのに」
ミカエル、足でケヴィンの顎を掴む。何たる横暴、何たる屈辱。
「君は僕だけを見ていればいいんだよ。だって最高位の天使で究極に正しいのは僕なんだから」
僕の好きにさせてもらう。悪魔だろうと選定公だろうと、僕の敵じゃない。僕を手こずらせたのはあのルシファーだけだ。とミカエル。
ミカエル…
片翼の分際で僕の名前を気安く呼ぶな、とケヴィンを蹴り飛ばすミカエル。
おまえはもう御前天使でもなんでもない、とさらにケヴィンに蹴りを入れるミカエル。
吐血するケヴィン。その血がミカエルの頬を汚す。
ミカエル、ケヴィンを踏みつけながら、
「手を出すのは見てから考える。ウイリアム・トワイニング。ソロモンの魂を持つ者を見てから、ね」

また落第しちゃうよ、とウイリアムに泣きついて来るアイザック。
日々の積み重ねが大事だと一蹴するウイリアム。
でも今度の試験はウイリアムがトップじゃないかもね、とエリオット・イーデンを指さす。
ウイリアムと同じクラスだというが、見覚えがない。
この間のラテン語の試験は、ウイリアムと三点差だったらしい。
エリオットが話しかけてくる。
君がウイリアム・トワイニング?
監督生の顔も分からないのか、と返すウイリアム。
一言いっておこうと思って。次のテストでは最優等を狙いに行く、手を抜かないでくれよ、後で言い訳されちゃあ、つまらない。キヒ。
不気味な笑みを残して去って行くエリオット。
戦線布告だ。
この天才に頭脳で勝負を挑んだこと、死ぬよりも深く後悔させてやる。
と激しく怒りの炎を燃やすウイリアムであった。

こっちは奨学金がかかってるんだ、もし優等から落ちたりしたらたまったもんじゃない。
テスト前の図書室はさすがに混んでいる。
空いている席を見つけて、ラッキーと座りに行くが、そこにはエリオットがいた。
やあ、君か。
私語は慎め、イーデン。
笑い出すエリオット。
何が可笑しい!
ごめん、まさか君がそこまで意識してくれるとは思わなくてさ。
頬を赤らめるウイリアム。
誤解を与えるようなこと言って悪かったよ。気を引きたかったんだ、君の。
図書館の二階から、二人の様子を伺うケヴィンの姿が。

エリオットと話しながら歩くウイリアム。
僕は目的を果たすためなら、どんな犠牲も厭わない。一番大切なものを守るっていう目的のためならね。君は? ウイリアム。
俺? 
君にとって一番大切なものって何?
大切な…浮かぶ、スワロー、ケヴィン、アイザックの姿とダンタリオンとシトリーの姿。
ノアの方舟の話をするエリオット。ある天使が人間に告げなかったら、今頃人間はどうなっていたんだろうね、と。
つまりね、大切なことを見誤ると、後々後悔しても遅いって例えだよ。
ウイリアムの方はあまり話を飲み込めていない様子。
僕らにとって今が大事な時だからね、ウフ、お互いがんばろ。
二人の様子を木陰から伺うダンタリオンの姿があった。

テストの返却。イーデン、最優等。そして当然俺の成績はその上をいく…評価が下がってるーーー!
何だってんだ、何故こうもシャクにさわる…。部屋を忌々しげに出て行くウイリアムの手を掴む者がいた。ダンタリオンだ。
構うな! 今俺は機嫌が悪い。
あいつは誰だ。悪魔じゃ無いことは確かだ。だが、何かがおかしい。光が、ありすぎる。
だとしても、俺には関係ない。
と腕を振り払って去ってしまうウイリアム。
キヒと笑って、その様子を見ていたエリオット。

試験当日。机にアンチョコを忍ばせた生徒がいた。カンニングだ。
エリオットはそのアンチョコを消し、ウイリアムの机に転送する。
いくら消しても消えないアンチョコ。ついに教師に見つかってしまう。
カンニング行ったと見なされ、罰として懲罰室行きを命じられる。

最悪だトワイニング家始まって以来の恥だ。えん罪を何とかして晴らさなければ。
面会は禁止なのに、アイザックが総代を連れてやって来た。
真実を司る大天使ミカエルの力を借りて、君の無実を証明してみせる!
とアイザック。
で、犯人に心あたりは? やってないんだろう、カンニングなんて。
総代は信じてくれるようだ。
君の自慢は成績だけだ。それをわざわざ汚すはずがない。
総代……と一度は感動するも、だけ? と暗く沈むウイリアムであった。

夜、懲罰室にエリオットがやって来る。
やあ、災難だったね。まさか君がカンニングなんて。
俺はやってない!
僕なら君の力になれる。真犯人を知ってるんだ。君のためなら証言してもいい。その代わり、一つだけ条件がある。答えてくれないか。君にとって望む運命とはなんだ? 
そ、そんなもの当然エリートコースに進む…
ちっがーう! 僕が聞きたいのは、この世に存在する完璧なる正義と悪徳についてだ。
もし牧師と総代が崖にぶら下がっていたら、どちらを助ける? 神の国と地獄と、どちらを選ぶのか?
と問われて戸惑うウイリアム。
そこへケヴィンがやって来て叫ぶ。
何をしているのです! 懲罰室に近づくことは禁止されています。
エリオットは大人しく部屋へ戻るのだが…

試験の場で行われた不正行為について審議が始まる。
ウイリアムは断じて、いいえを貫く。
では神と悪魔、どちらに親しみを覚えるかね? 答えなさい、ソロモンの魂を持つ者よ。
アイザックのお守りが光り出して、エリオットが指を鳴らすと、そこは異空間だった。
エリオットのお守りを取り上げて握り潰すエリオット。
イーデン、何故おまえが…
まどろっこしいのはやっぱり良くないね。
と、そこへシトリーの攻撃が。魔方陣を張ってそれを防ぐエリオット。
エリオットの背には翼が。
貴様天使か!
あれはまさか、鞘から抜かれし剣!
エリオットが一降りの剣を出現させる。
じゃあ、本当に天使たちの長、神に似たる者、大天使ミカエル?!
アイザック解説ありがとう。
ミカエルはウイリアムの首を片手で締め上げ、
覚えてないの? 君の作った国の後始末をしてやったじゃない。ソロモン。
なんのことだ……
やれやれ。人間てのは本当にど厚かましいよね。僕らを差し置いて、神から恩賞を与えられているくせに。
汝に法悦を与える。ウイリアム・トワイニング。或いはダビデの子、ソロモン。
ウイリアムのピンチにシトリーが割って入ったけど、跳ね返された。

一方、部屋の外ではケヴィンが何も出来ずにいた。
ダンタリオンが現れて、薔薇の球体結界か…

中ではミカエルがウイリアムに一撃を食らわせようとしていた。その時、結界を破ってダンタリオンが現れる。
君がルシファーの秘蔵っ子かぁ。
その口でルシファーを語るな。彼を陥れた反逆者の分際で。
ルシファーより僕の方が強かった、ただそれだけのことさ。

陥れるってなんのことだ、とウイリアム。
猊下はミカエルの兄だ。とシトリー。
神に反旗を翻したルシファーは、ミカエルとの一騎打ちに負けて魔界に落とされたのだ。
ミカエルの攻撃に、押されるダンタリオン。
おまえを知っているよ、ダンタリオン。おまえがルシファーと契約する前、まだ人間だった頃のそれはそれは残虐で冷酷で凶暴な…
黙れ!
ダンタリオンの炎が、ミカエルを上回った!
馬鹿な互角だと?!
ダンタリオンがミカエルの羽根を踏みつけて、おまえは煉獄に落とすにも値しない、とトドメを刺そうかと言うとき、ケヴィンが現れてミカエルをかばう。
今この方に何かあれば、本格的に天界が動き出します。これ以上坊ちゃんを危険にさらすつもりですか。
ばかばかしい、気が削がれた。またいずれ…

場面は元の教会に。
私、ウイリアム・トワイニングは身の潔白を訴えます。何故なら、私は私自身の頭脳に誇りがあるからです。薬莢は大いなる知恵を持つものを脅かさない。つまり、いついかなるテストも、私にとって脅威ではありません。
恥ずべき書き込みがあったのは確かだ。誰があのような行いをしたというのかね?
お答えします。彼らが自白しました。と総代が二人の生徒を伴ってやって来た。
でも、僕らは自分の机に書いたのに何故。
そのへんはうやむやにされました。

追試で余裕の首位取れちゃって、格好良すぎ。俺の将来は前途洋々だな。
木陰で余裕の笑みを浮かべるウイリアムだった。

今、なんと?
ジル・ド・レイが驚いてるよ。
猊下がこのままお目覚めにならない可能性が出てきた、とバアルベリト。
それは…
悪魔とて不滅ではない。猊下の消滅も近いのかもしれん。いよいよ選定公を、ソロモンの存在が重要になってくるやも……
かつて神の声を聞いたと信じるあまり、いかに人生を狂わされた人間が多かったか。

入浴中のアシュタロスは、天界がウイリアムに法悦を与えてみろ、人間としての人格はなくなり、天界の便利な駒になるだけだ。
ウイリアムを魔界で保護するのだ。

邪魔なんだよね、人も悪魔も。
なんてこというの、ミカエル!

posted by 松風久遠 at 19:28| Comment(0) | TrackBack(2) | 魔界王子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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